お隣にすむ89歳の老婦人が、車の運転はしない、と約束していたご家族に内緒で、ちょこちょこひとりで危なっかしく車に乗って出かけていたという話。
車の鍵を、向かいに住む70代のご近所さんに預かってもらい、勝手に運転できない(=運転はもう卒業)ということで解決したと思っていたところ、鍵を預かっているご近所の男性がこの2週間海外旅行に行かれるということで、その間、わたしが鍵を預かることになった。
そうしたら・・・ご婦人が、うちを尋ねてきて「車に乗る用事があるから、鍵を貸してもらえないものかしら?」と言ってきたのだ・・・あちゃー。
もちろん、わたしは「お向かいのおじさんから、お子さんが心配されて鍵を預かることになったわけだから、鍵は本人に渡さないように」と頼まれているので、お渡しできないんです。と低調にお断りをした。
すると、ご婦人は「息子と娘は、たぶん最近高齢者の運転で、事故とかニュースで聞くし、実際身近なところで何かあったんだと思うのね、だから運転絶対しないで、って鍵を預かってもらうことにしたんだと思う。でも、おかしいわよね、あなたもお向かいの方も、責任を感じる必要はないの。わたしは自分の責任で運転するわけだから。」
と強気・・・
「やっぱり、お子さん達は心配なんですよ、タクシー使っていいって言われて、タクシーの電話番号もケイタイに登録してもらっているなら、タクシー乗られたらどうですか?」
と提案するも、
「わたしは、関わっている協議会の会議が来月までで終わるから、その最後の会議に行くのに車が必要なのよね、その帰りに何か所か買い物とかで寄ってから帰りたいから、その都度タクシーを呼ぶのもちょっと不便だし」
「おかしいわよね、だって私の車なのに、わたしが鍵を持たせてもらえなくて運転できないなんて。わたしは自分の責任で運転するわけだから」
息子さんとのお約束、ということなので、どうしてもと言う場合は息子さんに連絡してもらわないといけないみたいですよ、と向かいのおじさんからの言いつけどおりに対応すると
いつも温厚で、穏やかな上品なご婦人が「わかったわ、息子に連絡すればいいのよね、それで何か言われるなら、わたし息子とケンカするわ」
なんて言って、帰っていった・・・
あらら・・・
でも、息子さんに「車が必要だから鍵を返してもらいたい」とは言えないはず、だって1年前から車の運転をやめていることになっているのだから・・・汗
さらに、ご婦人は「でもねぇ、わたし車はなるべく運転していないけれど、こうやって鍵を取り上げられて運転しないと、勘が鈍ると思うのよね・・・そっちのほうが危ないんじゃないかしら」
なんていうものだから・・・呆れてしまった。勘が鈍るってまだまだ運転する前提なのかい!!??
ご婦人が帰られてから、わたしはこっそりすぐに娘さんに電話をして、状況を説明した。「あら・・・それは困りましたね・・・弟にすぐに連絡します」って。運転はしていない、なんて大嘘ついていたことがわかり、戸惑っておられた様子。
老人は手ごわいわ・・・