芋ようかんでも抱いて寝てろ!って怒鳴られた話

わたくし、”大雑把なO型”と自分でレッテル貼ってなんぼだと思っているけれど、定期的にはきちんと部屋の掃除やかたづけはしているつもり。

けれど、毎日使うキッチンは日々時間に追われ、家事を回していたら冷蔵庫冷凍庫内も雑然としてしまうのはいたしかたない。(でしょ?)

そんなこんなの日常のなか、昨年末、大掃除に時期に年末はやくから休みをとった夫が、張り切りだした。夫は、整理整頓が得意で、割と潔癖。いらないものはさっさと捨ててすっきり暮らしたがる効率&合理的主義者。

捨て捨ておじさん登場、なんて毎年わたしと子ども達を脅して、強制的に大掃除をして、毎年わたしは気が休まらないのだった。

今年は、大掃除に張り切りだす前に、「ほどほどにしてもらわないと、わたしのストレスになって精神的に苦痛だから、張り切らないでほしい」と伝えておいた。

「わかった、僕がやりたいと思ってやるだけだから、気にしないでいいよ」なんて理解を示していたのは、最初の二日ほど。

3日目、彼はキッチンの大掃除をすると言って、冷蔵庫の整理を始めた。
冷凍庫も色々と食材をストックしているので、けっこう入っている。

こちらは、一緒に手伝わなくていい、と言うのでパソコンで仕事なんかしていたのだが・・・キッチンにいる夫の顔が不機嫌になっているのは明らかだった。

かれは、冷凍庫の中のものをすべて出していらないもの(古いとか、もう食べないだろうというものとか)を捨てる作業をしていた。出した後に、冷凍庫内の拭き掃除をする手順なのだろう。

いらないと思うものを捨ててもらうのはかまわないけど、わたしはその時、何のためらいもなくまだ開けたばかりのきれいなゴミ袋に私がラップで包んで後で食べようと思って冷凍保存していた舟和の芋ようかん1本を捨てた瞬間を目撃した。

とっさに、「あ!それはわたしが大事にとっている芋ようかんだから捨てないで!」と彼の隣に行き、ゴミ袋からさっと取り出した。

すると、夫の地雷だったのだろう、いきなりキレ出した。「ゴミ袋からごみをあさるなんて何やってんだ!」「こっちは、この散らかったキッチンの全部の掃除をしているんだよ、10やっているところにちっちゃな1のようかんごときで文句言ってくるな」

って。

なのでわたしは「だって、あの芋ようかんはごみじゃないんだから、私があとで食べようと大事にラップでくるんでとっておいたものなんだから、勝手に捨てないで!」「頼んでもいないのに勝手に整理整頓しているのはあなたでしょ」「冷蔵庫と冷凍庫はわたしが使っているんだから何もやらないでいい!」
と言い返した。

彼は、冷蔵庫と冷凍庫の掃除をしている間、寒かったのもあるのだろう、そして好きで張り切ってはじめた大掃除も3日めになり、疲れてきたのだろう・・・きっとお腹もすいてたのだろう。人は寒くて疲れてお腹が空いている時がいちばん心に余裕がなくなるものだ。

芋ようかんに固執するわたしのちまちました根性に心底嫌気がさした模様・・・汗

「そんな言うなら、おめぇは芋ようかんでも抱いて寝てろ!!!!」
と顔を真っ赤っかにして怒鳴られた。

芋ようかんを抱いて寝る!?

そのとっさの発言にわたしは、自分が芋ようかんを大事に抱きしめて寝ている自分を想像して、なんだそれ!?と拍子抜けした。

でも、夫は本気でイカッている。さらに「おめぇは一生芋羊かん食ってろ!!!」

と。

この人には、舟和の芋ようかんの価値がわからないのね・・・
とわたしは横目になっているちびまるこちゃんの気分で心の中でつぶやいた。

いつも温厚な夫が年に一度キレるのは毎年だいたい、この大掃除の時期。今回は、けっこうな怒りっぷりで、離婚の危機を感じたわ。夫は、彼のなかでは散らかっているという我が家に辟易として、その後プチ家出をして(友人と忘年会に行った後、ビジネスホテルに泊まるといって飯田橋のアパホテルの予約をしていたのは知っている)、その足で群馬の実家にひとりで帰省して3泊ほど帰ってこなかった。

しかし、わたしは実家に行っている間に、彼は反省して帰ってきてわたしに謝るだろう、というのはわかっていたので、むしろいない数日は平和だった。

案の定、普通にLINEをしてきて普通に帰ってきた。実家にいって数日両親と過ごしたら、同じようにどうでもいいことで義父が義母に「うるせぇ!」なんて怒鳴っているのをみて「あれはいかんな」と苦笑いしたらしい。
そうだと思ったよ(笑)義母から口うるさく「お父さん、あれやっちゃダメ、これやっちゃダメ」って小言を言われるのがたまに耐えられなくなるといういつものパターンね。

まぁ、わたしもわかってはいる、日頃もうちょっと整理整頓を心がけてすっきりと暮らしたい、その方が良いなっていうのはわかっている。だから、夫がせっせときれいにしてくれた部屋をなるべく維持しようと心がけながら、2025年の2か月過ごしてきた。おっと・・・冷蔵庫がまたぐちゃぐちゃになり始めてきたわ・・・今日、整理しておきましょう。

で、この「芋ようかん事件」の話を、仲良しのママ友にしたら爆笑。
「ツボだわ~!!」って。「あたしも舟和の芋ようかん大好き~、だって、あれでしょ、あんこ玉のほうじゃなくて、芋ようかんのほうでしょ?」「そうそう、芋ようかんが好きで、時々パルシステムのカタログに出たときに注文するんだけど、賞味期限短いし5本入って800円だからもったいないじゃん」「わかる!もったいないからわたしも冷凍して大事に食べる人だわ」

ってそんな話に花を咲かせてたわけ。

芋ようかんでも抱いて寝てろ!!って表現は、なかなかのユーモアセンスね。ウケを狙ってではなく、ふいに本心でそんな言葉が口から出るなんて、夫はなかなかおもろいオトコだわ。

でも、夫は芋ようかんがトラウマらしくて、この話は聞きたくないみたい。今後わたしは、夫に隠れて舟和の芋ようかんを食べるしかなさそう・・・