小学3,4年生の頃の話。夏休みの読書感想文の宿題のために、図書室で本を借りましょう、と学校の授業で図書の時間があった。わたしは、とても優柔不断で、のんびりしている子どもだったので、時間内に本を選べず、そんな子供たちは、先生のところに並び、先生から渡された本を読むように、と私に渡された本は、ヴァン・ゴッホの伝記だった。
しょうがなく、その伝記を夏休みに頑張って完読した。ゴッホは作品がなかなか評価されず貧しい生活が続き、神経衰弱により銃で自らの耳を撃って、若くして亡くなった。そして、没後彼は世界的から評価をされ、いまや誰もが知る絵の天才、その絵画の価値は信じられないほどの高い値が付けられるようになった。読み終えた私は、感想文に「死んでから評価されるなんてなんだか納得いかない。生きているうちに、なぜ評価されないのだろう。そこが残念だと思いました」というようなことを書いて、学校に提出した。
そんなこともあり、生きている巨匠と思うような画伯がいると、とてもとても惹かれる。生きているうちに、そういう方たちが正当に評価をされるべき社会であってほしい!と。
そのうちの一人が、五味太郎氏。
わたしは昔から五味さんの絵が大好きで、ふたりの子どもが生まれてからは特に親しんできた。『まどからおくりもの』『おばさんのごちそう』なんかは私たちのお気に入りで繰り返し繰り返し読み、思い出深い作品。今でも大切に本棚に飾っている。
そして、昨年から、北海道の牧場を巡ったりして酪農に興味が湧いてきたわたし。牛乳の飲み比べを趣味のようにし始めたり、『しあわせの牛乳』という日本の酪農のものがたりを読んだり、そうしていると牛のことがもっと好きになってきたわけで。
そんなとき、インスタグラムで、五味太郎氏のオフィシャルサイトのある一枚の絵が目に飛び込んできた。
版画 「仔牛の春」 ※著者直筆サイン入り | 五味太郎 アネックス ショップ ※BASE (53annex-theshop.com)
なんて可愛いの!?
ときめく~!!!!
原作は1980年に出版された絵本、ということで。早速、図書館で絵本を予約し借りてきた。
春がきます、という一文はじまり・・・雪がとけて・・・草が芽をふいて・・・牛とともに、その季節が巡る様子が描かれるものがたり。文章はほんと”ひと言のみ”の短い表現なのに、1ページ1ページが本当に鮮やかで、風や土、原っぱの香りが心に浮かんできて、壮大なスケール感!!なんて素敵な絵本なのでしょう~!
中身を見せたいな・・・と思っていたら、なんとアニメーションも作られてた。ここに出てくる仔牛はもちろん一番かわいいけれど、人間のこどもとお父さんと・・・なんだか40年前の古き良き北海道を思わせる雰囲気。
オンラインショップで販売されている、この『仔牛の春』の版画。66,000円。筆者直筆サイン入り。数量限定。
惹かれる、欲しいなぁ・・・生きている画伯の作品を買うということにはとても価値を感じるから、買っちゃおうかしら・・・
今、とても私を引き付けている、そんな絵を今日は紹介したくて、牛への愛をこめて、色々しゃべっちゃいました。