小説『BUTTER』深掘り!銀座ウエストのバタークリームケーキ

柚木麻子の『BUTTER』と言えば、最近、版権を新潮社から河出書房新社へ移したことが報じられ、新しい装丁版が話題となっている。私自身はずいぶん前に新潮文庫の時の表紙のものを買っていてずっと本棚に積読状態。今年に入ってやっと開いて読んだのだった。

内容は言わずとも、すごい作品だったんだけど、小説中に、銀座ウエストのクリスマスケーキとして人気のバタークリームケーキの描写が出てくる。読後から食べてみたいなぁとずっと気になっていた。何人かの『BUTTER』を読んだ友人に一緒に行ってみようと声をかけるも、皆仕事で忙しく実現する日がいつになるかわからなかったので、ぽっと予定の空いた先日の火曜日、ひとりで銀座まで繰り出し本店の喫茶室まで足を運んできた。

11時ちょっと前に銀座駅到着、数寄屋橋交差点のC3出口のビルから出てウエストに向かって大通りを歩いていくと、すしざんまいがあった。平日ランチ1180円!?とすでに小腹の空いた状態では、寿司ランチも気になりながら・・・まずは目的のケーキを食べなくては、と喫茶室へ。

聞いていたとおり、白いテーブルクロスがぱりっとかけられクラシカルだけど昭和からの落ち着いた雰囲気が漂う。運よく席が空いていて、待つことなく壁際の4名掛けの席に案内していただいて、ケーキセットは1630円と少々お高いのは承知だけど、紅茶やコーヒーなどオーダーしたドリンクのお代わりが自由。早速、バタークリームケーキとダージリンの温かい紅茶をいただく。

銀座ウエスト喫茶室にて。バタークリームケーキと紅茶

小さなクルミがひとつのっているだけの白いシンプルなバタークリームケーキ。見た目は少し小さめ?と思ったけれど食べてみるとちょうどよい量だった。計算されているのだろう。私の記憶の中で食べたことのあるバタークリームのケーキは相当昔・・・あまり美味しい!というイメージはなかったけれど、ウエストのバタークリームケーキはひと口ひと口、舌の上で味わって食べたくなる上品なケーキ。スポンジ生地も小説にあるとおり、

どっしりとした食べ応えがあって、卵と粉の香りは高く、舌にざらついて主張する。”

バタークリームはほのかな塩味があり、

バタークリームにはこりっとした硬さが残っていた。舌の熱で溶けていく甘いバターはじゅうっと広がり、身体中の旨みを感じる細胞を浮き上がらせるようだ。ふわふわした甘酸っぱいショートケーキではきっとこうも満足できないだろう。”

なるほど、確かに。

小説の中で、主人公里佳の親友である伶子のダンナで菓子商社に勤める亮介が、こう言う。

「苺もサンタもなし、バタークリームとスポンジだけで勝負なんてかえって迫力があるよなぁ。ウエストさんはいつも赤字覚悟で素材にはお金をかけているからなぁ。」

そしてこのケーキの感想を伝えにカジマナの所(拘置所)に行って、里佳はこう表現した。

「どこまでもワルツのように回転しながら螺旋を描き、終わらない落下を続けているような美味しさです」

うーん、そこまで感じたかな~、とわたしは思うけれど、一人で銀座ウエストの喫茶室に行ってケーキをしっかりと集中して味わって、紅茶は1回お代わりをして、こだわっているという無料のお冷はサントリーの天然水というのだから、ウエイトレスの方が何回もおかわりを注いでくれておいしいお水は何杯もいただいて、かなり満足。好奇心を存分に満たすことができた。

ケーキを食べ終えた後は、読書をしたり、試験が控えている漢字検定の四字熟語をひたすらノートに書いてみたり、各席に添えてある銀座ウエスト発行の定期小冊子”風の詩”を拝読、優雅なひとりカフェは1時間20分ほど続き、だいぶ満喫させてもらった。1630円分は充分に。

さて、その後は喫茶室を出たとたんに、駅に向かって歩いている時にわたしの考えていたことは、もちろん、すしざんまいに入るかどうか・・・

もちろん、結果は、入るでしょ。お昼ごはんの時間ですし。

平日の銀座の中心街でもないこの通りのすしざんまいは、お昼時でも空いていてすんなり席に着くことができた。”ザギンでシース―”っていうあのフレーズまんまなのだけど、1180円でいいのかしら・・・注文して出てきた握りずしランチは見事に美味しかった。茶碗蒸しも、あおさのお味噌汁もついていて。最高。

銀座の昼の楽しみ方まで発見してしまい、もう心が躍る♪

10時に家を出て、銀座でひとり喫茶&ひとり寿司を堪能し、ちょっとだけ雑貨店でショッピングして帰宅しても2時半。

なんて優雅な有閑マダムのかしら、あたしって・・・うふふ。

また行きたい♡