うちから自転車で5分もかからないところに昔ながらの銭湯がある。しかしながら、こうも近いのに家にお風呂があるとなると家で入ればいいじゃん、となり、なかなか足を運ぶタイミングがなく、こういう人が増えて町の銭湯がなくなっていくのかもしれない・・・なんて、心のどこかでいつも申し訳なく思っていた。
銭湯ってなんというか、人々が行く理由は、きっと体の汗と疲れを流したい、という生理的欲求だけでなく、広いお風呂に浸かり心を解放させるとか、雰囲気を楽しむとか、そういう場所なんでしょうね。
そんなわけで、ちょっと身も心も退屈になってしまっていた先週末。町の銭湯が最近元気に営業しているのか気になって、よしっ、じゃ気分転換に行ってみるかと、夜の9時、一人で銭湯に繰り出した。
その日は土曜日の夜だったので、なんてことはない、けっこうな人で賑わっていた。しかも、若者や小さな子ども連れの方も多かった。おばちゃんのわたしが心配するまでもなく、銭湯は元気に営業していたのだ。よかった、よかった!
と、勝手におせっかいで心配していたのが取り越し苦労だったことに安心し、服を脱いだところでふと目を向けると体重計があったので、軽い気持ちで乗ってみると・・・衝撃的なまでに体重が増えている・・・!!!
昨年、1年で5キロ太ってしまったわたしは、今年の年初めに「マイナス3キロ」の減量を抱負にしていた。3キロならすぐに達成できそうだと思っていたが、そうもうまくは行かずプラス1キロになり、これはきっと夏には食欲も落ちて汗もたくさん出てすぐに減るだろうと気長に構えて気に留めないようにしていたが、まさかのプラス2キロにまで増えていたのでショックで体重計から降りるときはお先真っ暗に見えてめまいすらしてきた。そういえば先週くらいから、なんだか階段上がるにもある気にも体が重く感じていた。夏のだるさから来ていると思い込んでいたが、体重がしっかりと今までにないくらいに肥えていたのだ。
ひとまずそうは言っても体重はすぐ減らせないので、お風呂に入ろうと、気をとりなおし、浴場に足を踏み入れると、イイ感じ。壁には、立派な富士山が描かれていた。これよね~、銭湯と言・え・ば♪見事な富士山と真っ青な空、海辺の風景。素晴らしい!
熱めのお湯、ダイエット効果が期待できると書かれた微発砲風呂に交互に入り、その後はラベンダーの入浴剤が入った風呂にも浸かる。そうこうしていると汗が出て、身体中がぽっかぽか。ジェットバスやエステ風呂のバブルで、凝った背中や腰、さらにはひっぴアップ効果を狙い、お尻も下から上にぶくぶくをジェットバブルを当てて、すごい気合入っている人のようにできることはすべてやる、というアスリート意識まっしぐら。
そこで、ふとわたしは、次のことを思った。
水風呂チャレンジしてみたい。
そうです、お風呂屋さんに行くといつも羨望のまなざしで見ていたのは、水風呂を浴び、水風呂のなかに潔く入っていくツワモノの女性たち。サウナに入った方がほとんどだけど、よくもまぁあんな冷たいお風呂に自ら入っていけるものだと一目置いておりまして。ひそかな憧れだったのだ。で、身体中ほてって、汗が出ているわたしのこの肉体、いまならなんだかチャレンジできそうな気がするよ?と、そそくさと奥の水風呂へ向かってみる。
そーっと足を入れると、気持ち良い。このままよし、腰まで入って・・・あれ、肩までいけそうだよ??よし、できる、わたしならできる!そう心のなかで、自分を鼓舞し、わたしは水風呂に方まですっぽり浸かった!!!!ふぉ~、気持ちいい。そう感じている自分にメキメキと自信が湧いてきた。なんか、すごく体に良い刺激がきて爽快感が半端ない。
そして、一旦、もう一度熱めのお風呂に入る。なんとも言えない気持ちよさ。わたしは、自信がついて、2回目の水風呂に入った!1回めの壁を取っ払ったら2回目は何てことなしに出来るのだ。
そしてまた温かいお風呂のほうに入り、こういう交互に入るとどうやら疲労回復が早いらしい。一流の野球選手などアスリートもこういうお風呂の入り方をしているとか。
体重が激増したことも実は、水風呂に入れたきっかけかもしれない。太っている分、体がその冷たさに耐えられるのだ。
気分爽快だからいいじゃん、これからだよ、わたし!
そして、風呂上がりには、休憩場にあった牛乳の自販機でごくごくっと飲んでみるか。で、わたしはまたしても驚いた。メーカーの都合により全国的に瓶牛乳が廃止になり、ペットボトルになったと聞いていたので、心底がっかりしていたのだが、ここに置いてある明治の牛乳たちは、瓶に入っているじゃぁないですか!!しかも!コーヒー牛乳だけじゃなく、いちご牛乳にさらにフルーツ牛乳まである!!!ワクワクが止まらない。いちご?フルーツ?どっちの気分??心の底から悩み、今日はいちご牛乳で!購入して、そこの丸テーブルの椅子に腰かけて、ゴクゴクといただくと信じられないくらい美味しい。幸せだ~。飲み終えてぼーっとあたりを見渡すと、小学低学年くらいの男の子がひとりで、漫画本を読んでいる。お父さんかお母さんを待っているのかしら?なんだか慣れている感じで、よく来ているのかしらね。番台には金髪の若いバイトの女の子が、手際よくお客さんからお代を受け取りおつりを返している。若いカップルが着たり、中年男性がひとりで来たり。みなさん、どんな週末を過ごしてこられたのかな、なんて思いながら、わたしは、空いた牛乳瓶を返却かごに入れて瓶であることを爪ではじいて再確認し、満足しながら、家路に向かった。
なんならね、わたしはこの瓶のいちご牛乳やフルーツ牛乳を飲むために毎月銭湯通ってもいいじゃん、と思っている。