先日、お酒を飲みに行く仲でもある私の元ピアノの先生と、カウンターの天ぷら屋で昼からビールを飲みながら談話していた。
わたしはその日、最近気になっているピアニストのことを話したくて、「黒木雪音さんの初めてのソロリサイタルに行ったら、ショパン=リストの”献呈”を弾いてて、その後You Tubeで、たくおんこと石井琢磨さんが弾く献呈も見つけて・・・」と話し始めたところで、師匠が「ショパンじゃなくて、シューマンね」って・・・苦笑。ショパンとシューマンを間違えるわたし・・・汗
そうそう、それで師匠は「あたし、そのシューマン=リストの献呈って嫌いなの」とはっきり言ったので驚いた。
「嫌い?」とわたし。
「だってね、あの曲ってシューマンが愛するクララとの結婚の記念に彼女に捧げた曲なのに、あんな派手に”聴いて聴いて~”みたいに皆に見せびらかすような曲になってて、クララはすごく怒ったのよ」
自分だけに捧げてくれた曲のはずなのに、なにあれ・・・怒・・・って。
そうなのね・・・
「でもその話って有名なんですか?わたし知らなかったな・・・」
You Tubeなんかで調べていると、献呈の曲紹介では「念願かなってクララと結婚できることになったシューマンの愛が詰まったとてもロマンチックな曲なのです」
と愛にあふれた素晴らしい曲、と紹介していることが多い。
「うーん、けっこうコンサートでは持ち曲としてたくさんのピアニストが弾いてるしね、あまり有名な話じゃないかもね」
という訳で、わたしのピアノの師匠はシューマン作曲=リスト編曲のピアノ曲「献呈」が嫌いだそうで。
そんなに派手だったかな・・・気になって調べていたら
クララ自身が編曲したバージョンの「献呈」もあった。
聴き比べると、確かにリストはピアニストのリサイタル向けの華やかな曲調でダイナミックに盛り上がったりしているが、クララ編曲のは割と穏やか。
聴き比べるのもまた素敵です。
わたしは、この曲好きだけどなぁ・・・
石井琢磨さんの演奏なんかは特に。
来年は彼のリサイタルに行きたいな。11月に行きそびれちゃったから。そしてその時は「献呈」もまたぜひ弾いてほしい♪